「税理士いらず」で申告書だけを作成する方法
「税理士いらず」には、決算書作成のための会計ソフト機能と各種申告書類作成のための税務申告ソフト機能が
内蔵されています。
この2つの機能は、プログラム内部で連携されているため、原則として、税務申告書作成機能のみを単独で
ご利用になることはできません。
これは、「税理士いらず」が申告書記述項目を把握するために、単に決算書の科目明細だけでなく、前期申告書や
当期の仕訳を参照しているためです。
多くのお客様から、
   決算書は既に他の会計ソフトで作成済みなので、申告書だけ作成できないか?」
というお問合せをいただいてますが、基本的には、仕訳インポート機能を使って決算書を再作成した上で、
申告書を作成することをお勧めしております。
しかし、実際には、
   ・既に確定した決算書の仕訳をインポートして、仕訳を2重管理したくない
   ・ご利用中の会計ソフトに仕訳エクスポート機能がない
などの理由で、
   決算書の科目毎の合算金額のみを一括入力して申告書だけを作成できないか?」
というお問合せをたくさんいただいてます。
このようなお客様のご要望にお答えするために弊社では、「税理士いらず」の内部処理を再吟味した上で、
作成済みの確定決算書から申告書のみを作成する方法をご案内させていただくことにしました。
ここでは、
   ご利用中の会計ソフトを使って作成済みの決算書から申告書のみを作成する手順
をご説明させていただきますが、この手順で申告書を作成するためには、以下の4点の前提条件があることを
ご了承ください。
前提条件:
■ お客様自身にある程度の簿記知識と税務申告書記述知識があることを前提とします。
■ 確定した決算書決算仕訳(減価償却費、法人税等)の金額は、「税理士いらず」に仕訳を入力して
  作成した場合と同じでなくてはなりません。
■ 申告書のみを作成するためにも、一旦、決算書は作成しますが、この決算書は正しい仕訳に基づいた
  ものではありませんので、提出する決算書としてはお使いになれません。
■ 以下のご説明手順は、特殊な取引バターンなどは想定していません。
  また、以下の手順で作成した申告書の記述内容の正確性は保証できません。
ご注意:
「税理士いらず」では、減価償却費は別表十六の記述と連動して計算されます。
また、法人税等(地方税、消費税を含む)の計算では、桁落としなどの端数処理まで考慮されていますので、
お客様が作成した決算仕訳と「税理士いらず」が作成する決算仕訳では金額が異なる場合が想定されます。
このような場合には、一度、「税理士いらず」で決算仕訳を作成してから、お客様が作成した決算書を修正した上で、
以下の手順2より操作をやり直してください。
「税理士いらず」が作成した決算仕訳は、仕訳日記帳メニュー元帳メニューでご確認いただけます。
ここからは、他社会計ソフトで作成済みの決算書の情報を元にして、
「税理士いらず」で申告書のみを作成するための具体的手順のご説明です。
手順1: 会社基本情報の登録と前期情報の入力
初期利用メニューをご利用になって、会社基本情報前期貸借対照表前期申告書の期末残高などを入力するのは、
通常の場合と同様です。
手順2: PL科目の合算金額の入力
損益計算書の税引前当期利益を既に確定している決算書と同じ金額にすることが目的です。
以下の手順で、相手科目はすべて現金として、当期の科目毎の合算金額の仕訳を入力します。
PL科目の合算金額と当期購入固定資産の購入仕訳を入力した段階で、当期の所得金額は確定しますので、
法人税申告書のBS科目の内訳書(内訳書Bなど)を除いては、申告書が確定します。
なお、以下の入力手順では、消費税の課税区分は、「税理士いらず」の勘定科目で定義されている既定の課税区分であることを
前提としていますので、同一科目について消費税の課税区分が異なる仕訳があるときには、その課税区分毎の合算金額の仕訳を
個別に入力する必要があります。
また、仕訳の日付については、当期の固定資産の購入仕訳を除いては、当期の会計期間内であれば、いつでもかまいません。
(当期購入固定資産については、取得日によって計上される減価償却費が異なりますので、正確な日付で仕訳入力する必要があります)
1) 売上高
PLの売上高の合算金額を、売上高/現金のように、相手科目を現金として仕訳入力します。
2) 売上原価
同様に、相手科目を現金として、仕入高外注加工費などの合算金額を仕訳入力します。
ただし、期首商品棚卸高期末商品棚卸高については、決算処理棚卸処理にて、内訳書Dを記述して、
「税理士いらず」に作成させます。
3) 販売管理費
販売管理費は、科目によって扱いが異なります。
役員報酬、役員賞与 内訳書Mの記述に引用されますので、役員毎の当期中の合算金額を仕訳入力します。
   例: 役員報酬/現金  8,000,000  田中一郎
      役員報酬/現金  6,000,000  鈴木太郎
      役員賞与/現金  2,000,000  田中一郎
その他の人件費科目 給料手当雑給などのその他の人件費科目は合算金額を仕訳入力します。
交際費 別表十五の記述に引用されますので、交際費の合算金額のみを仕訳入力します。
慶弔費などの不課税取引がある場合には、課税区分毎の合算金額を仕訳入力します。
   例: 交際費(課税)/現金  1,000,000
      交際費(不課税)/現金   50,000
地代家賃 内訳書Nの記述に引用されますので、支払先毎の合算金額を仕訳入力します。
   例: 地代家賃/現金  2,000,000  田中不動産
      地代家賃/現金  1,000,000  鈴木不動産
租税公課 当期計上の消費税を除いた合算金額を仕訳入力します。
消費税については、「税理士いらず」が決算仕訳を作成するので、仕訳入力しません。
減価償却費 減価償却費は、「税理士いらず」が決算仕訳を作成するので、仕訳入力しません。
寄附金 合算金額を仕訳入力します。
なお、寄附金については、通常の場合でも、指定寄附金等が含まれる場合には、
決算調整処理の段階で修正記述する必要があります。
詳しくは、決算処理メニューをご確認ください。
その他の科目 上述以外の科目については、科目名が所得計算に影響しませんので、すべての合算金額を
一括して仕訳入力してもかまいません。
4) 営業外収益と営業外費用
受取利息雑収入支払利息雑損失のそれぞれについての合算金額を仕訳入力します。
受取利息を除いては、内訳書Jもしくは内訳書Oの記述に引用されますので、相手先別の合算金額を仕訳入力します。
   例: 支払利息/現金 50,000  A銀行/B支店
      現金/雑収入   30,000  C損害保険会社
手順3: 税引前当期利益の検算
手順2での仕訳入力により、減価償却費と消費税を除いた税引前当期利益が計算されます。
試算表を確認して、
  「税理士いらず」の試算表の税引前当期利益
       =  作成済みの決算書の税引前当期利益 − 当期計上消費税 − 当期計上減価償却費
となっているかを検算してください。
手順4: 当期購入固定資産の購入仕訳の入力
当期中に新規購入した固定資産がある場合には、それらの購入仕訳を個別に入力します。
繰延資産一括償却資産についても同様です。
固定資産の購入仕訳を入力するときには、仕訳の日付を正しい日付(購入日)に設定する必要があります。
減価償却仕訳は、「税理士いらず」が作成するので、仕訳入力する必要はありません。
また、前期までに購入した固定資産についても、既に手順1で前期の別表十六を入力済みなので、仕訳入力する必要はありません。
手順5: 決算仕訳の作成
決算処理メニューで、決算調整処理を行い、「税理士いらず」の確定決算書を作成します。
この確定決算書は、正しい仕訳情報に基づいたものではありませんので、貸借対照表についてはお客様が作成した決算書とは異なります。
ただし、損益計算書は、お客様が作成した決算書と同じ金額になり、税引前当期利益法人税・住民税及び事業税当期純利益
なども、同一の金額となるはずです。
もし、違っていたら、決算仕訳の金額が違うことが想定されますので、仕訳日記帳または元帳をご確認ください。
また、貸借対照表については、流動資産科目負債科目の科目毎の内訳は、お客様が作成した決算書と異なりますが、
固定資産科目流動負債の未払法人税等の当期計上税額および、 純資産の部については、同一でなくてはなりません。
手順6: 申告書の確認
以上の手順で、所得利益税額の計算は完了していますので、内訳書のBS科目の明細書を除いては申告書が確定します。
法人税メニュー地方税メニュー消費税メニューで、それぞれの別表申告書を確認してください。
手順7: 内訳書(BS明細)の調整
手順6までの操作では、内訳書のBS明細(内訳書Bなど)については、正しい記述になっておらず、前期申告書の記述状態と
なっています。
また、内訳書@については、手順2で、すべての相手科目を現金として仕訳入力したため前期申告書とも違う記述となっているはずです。
このBS関連内訳書を調整する方法は、2通りの方法があります。
 方法1: マニュアルで、直接記述する
   法人税メニューの内訳書確認画面で、お客様が把握している期末時点の明細を直接記述してください。
   ただし、この方法でマニュアル記述した場合、決算処理をやり直すと、再度、記述内容が元に戻ってしまいますので、
   記述内容が確定したら、必ず、PDFファイル等に保存しておいてください。
    最新の22年度版では、内訳書の自動記載機能の抑止オプションが追加され、お客様がマニュアル記載した内訳書の内容を
     決算処理のやり直し後も、そのまま保持できるようになりました。詳しくは、22年度版リリース案内ページをご確認ください。
 方法2: 調整仕訳を入力して合わせこむ
   決算処理をやり直しても記述内容を変化させないためには、調整用の逆仕訳などを入力する必要があります。
   調整仕訳は、以下の2段階の手順で入力します。
(1) 内訳書@以外のBS科目明細書
    たとえば、内訳書Bの具体例として、
      前期の内訳書B:
        売掛金  A商事   3,000,000
        売掛金  B商事   1,000,000
      当期の内訳書B:
        売掛金  A商事   2,500,000
        売掛金  B商事   2,000,000
    のような場合には、以下のように調整仕訳を入力します。
        現金/売掛金    500,000   A商事
        売掛金/現金   1,000,000   B商事
     上記の調整仕訳では、売掛金/売上高のように相手科目を正しく指定してはいけません。
       売上高は、手順2の仕訳入力で確定済みなので、その金額を動かさないためです。
    他のBS科目明細についても、同様の方法で調整仕訳を入力します。
(2) 内訳書@の調整
    これまでの調整で、BSの現金、預金は、実際とは異なる金額になっているはずですので、
    最後に、逆仕訳で現金、預金科目を合わせこみます。
以上の手順で、確定された決算書に基づいて、申告書のみを作成することができますが、決算書は正しい仕訳に基づいて
作成したものではありませんので、お客様の自己責任で作成されるようお願い申し上げます。
また、上記の手法は、弊社としては推奨できないイレギュラーな(変則的な)手法ですので、上記に関する詳細な
お問合せには、応じかねる場合もございますので、予めご了承願います。
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